大切に使っている自動車でも廃車になる時は一瞬

人生は±0になるようにできているそうだ。だから今まで悪いことしか起きなかった人にはいいことがたくさん待っているし、挫折を知らずにいいことばかりだった人にはこれからたくさんの試練が待っている…。

夫が数年前にガンになったときが今思えば私たち家族の試練だったような気がする。幸い夫の命に別状はなく、心配されていた後遺症もなく、再発や転移には至らなかったものの、いつ終わるともわからない闘病生活に家族みんなが疲れ果て、早くこの試練を終えたくて仕方なかった。でも闘病生活がひと段落して夫の生命保険が下りたとき、その金額を見てちょっと驚いた。何故ならば下りた保険金は闘病にかかったお金よりもはるかに高額だったからだ。ゲンキンな私たちはその金額を見て、辛かったことも忘れて喜んだのである。

そのお金を使って車を購入することにした。ちょうど子供が産まれたばかりだったので、ワンボックスタイプのファミリーカーを選んだ。

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夫がつらい思いをして得た大切なお金、そして大切な車だ。私は毎日毎日、その車を大事に乗った。

ところが車を購入して3年後、それは起こった。後部座席のチャイルドシートに座っていた長男が泣き叫んでいたので、あやしながら運転していたら、気を取られて赤信号で交差点に突っ込み、左から来た車と衝突してしまったのである。幸い相手の人たちも私たちにもけが人は出なかったけれど、相手の車はエンジンルームから煙が出ていて、私たちの車も見事にフロント部分が大破してしまったのだった。

結局10対0で完全に私の過失となり、相手の車も私の車も廃車処分となってしまった。大切に使っている自動車でも廃車になる時は一瞬だ。車に乗っているときに子供が泣いたら停車してあやすか、かわいそうだけれども放っておくしかない。そのことを身を以て知ったのである。